2007年05月のアーカイブ

「ヴィライナワシロの山際料理長」といえば、福島県内の料理人で知らない人はいないほど
有名な方です。



お伺いしたのは5月末。
ちょうどアスパラが美味しい時期です。
一本一本丁寧に皮むきして、ベーコンと同じ長さにカット。
当たり前の作業ですが、この下ごしらえという手作業をすることで
素材の良し悪しをみる力が身につくといいます。
山際料理長の隣では若い料理人がついていました。

山際料理長がイチオシする「都路のベーコン」。
「味がぜんぜん違う」といいます。
先日は職人技として雑誌にも取り上げられ、味の良さで3年連続の賞もとりました。
「都路の方が喜んで電話をくれました。
今年ももらえたよ!って。
私もすごく嬉しくてね」
生産者が料理長に喜びの報告をしてくれる関係。素敵ですね。


厨房の中ではルバーブのバター作りもしていました。
「ルバーブは酸味と繊維質が特徴。
どちらも活かさないとルバーブらしくないんです。」
試食をしながら作業は進みます。

じーーーと見ていたら試食させていただきました(笑)
味は、、、初めての酸味なんです。
バターにすることでまろやかさも感じます。
一度食べたら忘れられない味ですね

「紅ほっぺのアイス食べる?」ときかれて食べないわけがありません
先日取材した時のイチゴ農家さんの紅ほっぺ。
取材のあと、厨房スタッフで農家さんのイチゴ畑に行ってきたそうです。
食べる!と答えてから作り始めてくれました。
出来立ての紅ほっぺアイスです。
ほのかなイチゴ色。
口すると余計なものが入っていない、素朴ないちごそのものの味。
甘さではない、イチゴのあまみが広がります。
「このアイスを持って、農家さんにいってくるんです。
譲っていただいたイチゴがどんな風になったか、伝えてくるんです。
そうしないとわからないでしょう?」
あらためて山際料理長をすごい!と思いましたね。
確かにそうなんです。
農家さんが大事に育てた作物たちがどのように使っていただいているのか
知っている農家さんは少ないのです。
だからこそ、美味しくなった姿をみて感動する農家さんもたくさんいるのです。
この「料理のおかえし」ともいえる取組ができている山際料理長は本当に農家さんのことを
考えて、料理つくりをしているのだとつくづく感じました。


「こっちはハトムギのアイス。このハトムギも福島県内のものだよ」
県内でハトムギ作っている人がいることも知りませんでしたが
ハトムギのアイスも初めてです。
味は一口で「ハトムギだあ~」とわかるほどハトムギ味(笑)
楽しい味です。

ヴィライナワシロの厨房には12人の料理人がいます。
朝6時から朝食の準備をして、8時頃から夕食の仕込を開始。
午後1時半までして、お昼休憩。4時から夕食の仕込み。
素材そのままを仕入れるから下ごしらえに時間がかかるのです。
その分、素材の良し悪しが左右され、素材の味を活かした料理ができます。
若い子もちゃんと下ごしらえ中。
一つ一つの手作業が、お客様のおもてなしにつながります。
今度は料理長と都路に行きたい!
お願いして行ってきます。
今では福島の人なら誰でも聞いたことがあるまで有名になった「会津地鶏」。
一時期は羽数も少なく、絶滅寸前でした。
会津地鶏はその昔、羽の美しさから観賞用に飼われていたようです。
会津の伝統行事である「会津彼岸獅子」では、獅子舞が舞いますが
その頭についている飾り羽は会津地鶏の尾羽。
会津彼岸獅子は1570年代に伝承されており、約400年以上もの歴史がある
立派な地鶏です。

会津地鶏の生産者の一人である武田さんのところへ、旅館の支配人とお伺いしました。
さっそく写真撮影タイムです^^

これが純系会津地鶏のオス。
ホントに尾羽が長くてかっこいい。
他に別種類の鶏がたくさんいても一際目立つほどの存在感があります。
武田さんは物心ついた頃から鶏を飼っていた農家の生まれ。
お米を作り、鶏も飼う、という昔ながらの農家さんでした。
本格的に養鶏に力を入れだしたのは昭和38年。
そのときは良くても、だんだん大きな企業が養鶏業に進出してくるようになり
昭和60年頃には危機感を持っていました。
「うちみたいな小さな農家では、大きなところにはどうやってもかなわない。
差別化するためには、なにか考えないとと思っていました。
そのころちょうど「地鶏」というものが見直されてきたんですね。
会津にもいるんじゃないか・・と思い、いろいろな人にきき、探しました。
ある方に「昔から庭にいた鶏が地鶏だろう」と言われてハッとしましたね。
うちの庭にいたあの尾羽のきれいな鶏。今でも飼っている、と。
そこで養鶏試験場に相談したら、血液鑑定をしてくれたんです。
昭和63年に会津固有の種と認定され、会津地鶏といえるようになったんです。
そのときに見つかったのは下郷町、美里町、会津若松市、そしてうちの湯川村でした。
ほんとに数が少なくて、あのときに確認していなければ今はいなかったかもしれませんね。」

会津養鶏協会では、本来の会津地鶏を「純系会津地鶏」とし
食用に育成・改良した鶏を「会津地鶏」として区別しています。
養鶏分場で孵化させ、計画にもとづいて30日ほど育てた雛を契約農家へ譲渡する仕組みになっています。
その雛を農家さんが大切に育ててくれて、会津地鶏として私たちの元へ届くのですね。
地鶏は肉質がしっかりしていて、噛むほどに旨みが感じられるのが特徴。
ブロイラーに慣れてしまった現代人には「かたい」と感じるかもしれませんが
鶏の本当の美味しさに出会える感じです。
武田さんの所では、純系会津地鶏がいるためその保存もかねています。
「こっちに雛がいるよ」と案内されていくと
かわいい!
ピヨピヨピヨ・・・・がいっぱい。
こんな姿をみたらもうヒヨドリは食べられない(笑)

ついでに、ウコッケイもいたので一枚。
なかなかベストショットを撮らせてくれないので、こんなアングルになってしまいました。
武田さんは地鶏の肉ではなく卵が専門。
ウコッケイの卵もあります。
卵をとるように育てているので、一度たべると普通の卵がたべられないほど
ぷるっとしています。
生卵ご飯は特に美味しかった!
なかなか手に入らない貴重な卵です。

喜多方市の熱塩温泉にある山形屋に行ってきました。
ここでは毎月メニューが変わるので、月末に翌月の料理勉強会をしています。
厨房をのぞくと、きれいな山菜が。
コシアブラですね~~
とったばかりがわかるシャキとした感じがなんとも美味しそう。
料理長にコシアブラを持ってもらい、記念の一枚。

本日の目的「料理ミーティング」
お客様へ出すものと同じように準備をして、一品一品内容を確認していきます。
郷土料理ならその由来も含めて。
今月のメニューでの反省もします。
「山菜って正式名ってあるんですかね・・」と仲居さんの疑問。
「ウドやコゴミはわかってもらえるんですが、エラコがわかってもらえないんです」
エラコ、の共通語ですか。
「他ではアイコって呼んでるんだよね」と他の方。
「会津でもエラコっていう人は多いけど、会津の中でもイラコって言う人もいるし、エラっていう人もいるし。」
確かに、イラコって言う人いますね~
「エラコは素手でさわるとチクチクしてイタ痒くなるんですよ。
手がいらいらするっていうんでしょうかね。だからイラコって言うみたいです」
手がいらいらするからイラコなるほど。
ちょっと、疑問なのは
このエラコ、全国の人が食べているんでしょうか?
フキノトウやコシアブラ、タラの芽みたいにメジャーではない気がするのですが・・。
会津では葉っぱを天ぷらにして、茎は塩ゆでして炒め物やおひたしにします。
他のエリアであまり見かけない気もします。
ちょっと調べてみよう。

来月のメニューの中で、一番美味しそうだったのがこのアスパラガス!
太くて青々しい色もきれい。
食べると新鮮な甘みが口の中で広がります。幸せ~^^
実は喜多方市はアスパラの産地なんです。
その中でも熱塩温泉がある熱塩加納町は有機栽培の農家さんが多いエリア。
その中の数件の農家さんが、山形屋のために野菜を作ってくれています。
そのうちの一軒、遠藤さんのアスパラです。
この新鮮な美味しさは地元でなければ味わえません。
近くに畑があるっていいですね。
山形屋では料理ミーティングの前に、来月の料理候補を一般の人を交えて試食する会を実施しています。
次は参加してみようと思っています。

本日は、TVの料理番組でも取り上げられた会津中央乳業にお伺いしました。
時間は9時頃。
ちょうど、瓶詰め作業中です。
徹底した衛生管理の下、会津の牛乳が詰められていきます。

打ち合わせの時に出していただいた「もうひと絞り」。
この牛乳は、絞りたての味を知る酪農家の方が
「一番美味しいのは、絞ったあとの、最後のひとしぼりなんです。
牛ががんばって作ってくれた、一番最後の一絞り。一味違います。」
一口 くちに含むとふわっとした甘さを感じます。
ほんとに美味しい。
いつまでもふくよかな旨みが残る美味しさです。
「昔は坂下にも小さな酪農家さんがたくさんいて、その牛乳を売る牛乳やさんもたくさんいました。
うちもその一件だったの。
一番最初は、うちの母が西会津の実家から朝、晩の牛乳を運んでいたのよ。
坂下町から西会津の西方まで電車で、あとは徒歩。
イット缶2つに牛乳をいれて、手で持って運んでいたの。
絞りたては温かいから冷ますのに水をつかっていたくらい、なにもない時代だったんですよ。
それで、運んできた牛乳を殺菌して売っていたの。
毎日朝晩運んできては、殺菌して売る。この繰り返し。
牛も2,3頭飼っているくらいの農家さんが多かったから、
そのくらいの量でよかったのね。
今ではうち一軒になってしまったけど、その頃はたくさんの牛乳やさんがいて
みんな本気で酪農のこと、牛乳のことを語っていました。
その思いを全部背負っていると思っています。」
専務の牛乳の思い出も今の中央乳業の基盤になっているのですね。

今回はヨーグルトの話でお伺いしたのですが、対応していただいた営業の二瓶さん。
まだお若いのに、考えがしっかりした方です。
「うちの牛乳はJA会津いいでの11の酪農さんを中心に、約20件ほどの方からいただいています。
100%会津の牛乳だけです。
実は、会津の環境は酪農に適しているんです。
牛は暑いのが苦手で、人間が寒いとかんじるくらいが適温なんです。
その寒い時期が長いこと。暑い時期でも朝晩の涼しさがあること。
人間にとって厳しい環境が牛にとっては最高なんですね。
だから、いい生乳ができるのです。
さらに、会津の酪農家さんは真面目な人が多い。
牛一頭一頭のことを考えて、育てています。
牛にも愛情が伝わるのでしょうね。
酪農業界では、会津の牛乳は北海道にも引けをとらない、といわれているそうです。」
そのいい生乳を、一番おいしい状態で飲んでいただきたい、と中央乳業さんは思っています。
だから、手間はかかっても低温殺菌。
雑菌数を極力いれない工夫など、小さな努力をたくさんしています。

「会津の雪」というヨーグルトで有名になった会津中央乳業ですが
飲むヨーグルトもあります。
会津の雪はもうひとしぼりで作られているんですって。
なるほど、だから味が濃いんですね!納得。
以前に会津中央乳業さんとおつきあいしている酪農家さんにお伺いしたことがありましたので
その様子はまた今度。
今日、朝一で某支配人から素材注文のFAXが届いた。
去年も頼まれていたジュンサイと酵母牛ですね。了解。
確認のために支配人の携帯へ連絡をしてみると
「FAXしたもの以外に、ミルキーの玄米あったよなあ。
うちの足りなくなったから武田さんとこの頼むわ。
え~~~っと、600キロ!」
600キロ!
武田さん、たくさんあると言っていたけど・・600キロもあるかしら??
武田さんに電話をすると
「600キロはないなあ・・」
・・・そうですよね。
支配人に連絡をしてあるだけ買い占める、ということで承諾していただきました。
そうそう、宿っていきなり大量なことがあるんですよね。
聞かれていた会津の立川ごぼうの収穫時期もご報告。
福島は太平洋の温暖な地区と、日本海の豪雪地帯と入り混じっているので
収穫時期がずれるのです。
福島の収穫時期が全部言えるようになったらすごい!

お昼頃から知り合いのお蕎麦屋さんへ。
ちょっと混んでるなあ。
ここはお蕎麦屋さんを始める前からの知り合いで、
忙しいときにお手伝いもしていたお店です。
黙っていられずにお手伝い開始(笑)


今時期は山の恵み「山菜」がいっぱい。
今日の天ぷらは・・大きなコシアブラとウドの葉、ピーマン、かぼちゃ。
水揚げされたばかりの蕎麦がとてもきれいです。
そば粉は地元猪苗代町産100%
毎日手打ちしてます。

お店の直前に打った蕎麦がなくなり、本日2度目の蕎麦打ち後、
「はっぱ採ってくる」とおかあさん。
戻ってきた手には「おかのり」。
ここは昔も今も農家さん。
蕎麦や用にネギや大根も作っていますし、てんぷら用の葉ものも作ってます。
美味しい蕎麦だけでなく、旬の香りの天ぷらに自家製野菜がなんともいい感じですよね。
写真の奥が「おかのり」で手前が「ぶどうの新芽」
「おかのり」はつるつるした感じで天ぷらであっさりと。
「ぶどうの新芽」は酸っぱさが印象的な味です。
私は蕎麦を打つことも茹でることもできませんが
天ぷらに旬の香りを感じる蕎麦が大好きです。
蕎麦の収穫量は全国で屈指の福島。
その中でも多いのは会津ですから、美味しい蕎麦が食べたくなったらまた行ってきます。

2007年5月某日
高知県と愛媛県の仕事があり、高知空港へ。
高知といったら一度行きたかった「オーベルジュ土佐山」!
念願かなって行くことができました。
山の奥、とは聞いていましたが本当に山奥。
澄んだ川の流れを左側に、緑の濃い山間をのんびり走って、小さな部落を抜けたところに
山に溶け込むような自然さを持った建物が見えてきます。
駐車場にはかっこいい看板がお出迎え。
ここまできてよかった、と思える瞬間です。






対応していただいたのは、オーベルジュ土佐山の支配人。
まだお若いのに落ち着いた雰囲気と和みの笑顔が素敵です。
建物は地元の木を使い、壁は土佐漆喰の重厚感。
館内はデザイナーさんが地元素材にこだわりぬいた木と光の空間が広がります。
オーベルジュには4棟の離れと、スタンダードの洋室があります。
離れへはスタンダードルーム前のオープン通路を通り、山の小道を抜け、
専用の橋をわたって行きます。
橋からは棚田も見えます
「夏には蛍も飛ぶんですよ」と支配人。
こんなところで蛍をみたら絶対に感動です。

お部屋の前には一文字の部屋看板。
周辺の景色にあった、素朴な優しい花が飾られています。

お部屋に入って、支配人が窓をあけると広がる景色!
見事に山だけ!
山の緑を見下ろすような感覚にとらわれます。
これは自然を見慣れた人でもずっと見ていて飽きないでしょう。




部屋の家具にもこだわりがあります。
高知の職人さんが一個一個手作りしている和紙のランプ。
ちりめんの半てん。
部屋にいながら好きな音楽が聴ける環境。
水周りもすっきりとして、洗練された小物たち。

ベッドは不自然なくらいの高さがあります。
「目が覚めて、ベッドにおきたときに窓の外の景色が見えるように高くしています。」
さすが!です。
一つ一つに理由があって、宿泊した人がいつでも心地よく自然を楽しめる空間。
地元のものを大切にし、手間がかかっても職人の温かな技術を活かしているオーベルジュ土佐山と映りました。
こんな山奥ですもの、きてよかった、と思える価値がこのこだわりだと思います。

お食事ところには囲炉裏があり、インパクトのある書道。
お部屋の額文字と同じ方ですが、これも地元の有名な方。
部屋ごとに変えて書き、ダイニングにも飾られています。
夜の雰囲気はわかりませんが、窓の外一面に広がる緑で
朝食の時のすがすがしさがイメージできますね。

満室で、それもお伺いした時間がチェックインの時間ぎりぎりでしたが
快く対応していただいた支配人に感謝でございます。
スタッフもにこやかで心地よい。
建物のこだわりに甘んじない、温かさを感じる対応です。
いつかは絶対に泊まりたい!と心に決めて帰ってきました。

磐梯山の清流がながれる磐梯町。
そこで魚を育てている四季食産です。

いきいきとした木々の合間をぬって清らかな水が流れています。
雪深い山々の雪解け水や伏流水です。
この水が、魚を育てるのに大切な原水の役割を果たしています。

ここで育てているのは
イワナ・ヤマメ、ニジマス。
そして最近注目されている会津ユキマス。
なんと、日本最大の淡水魚「イトウ」の養殖にも成功しています。
これは全国的にもめずらしい事例だそうです。
「水温や環境があったんでしょうね」
実物のイトウをみるとその迫力に驚きますよ。

最近はサギが餌場として狙っているそうで、防御の網ネットです。
上流とはいえ、川の水を使っているので魚の状態は常に気にしています。
「イワナやヤマメは水の汚れで、すぐに弱ってしまうので神経を使います」
福島は海もありますが、山間部もたくさんあります。
福島の象徴ともいえる磐梯山の澄んだ水で育った魚はそれは福島だけの美味しさですね。

岳温泉から程近くの大玉村で酵母牛を育てている國分農場。
その國分社長とお会いできました。
環境のことを考え、岳温泉と二本松の有機栽培生産者と一体になった循環サイクルに取り組む國分農場。
酵母牛はそのシステムの中でも重要な役割を果たします。
岳温泉からでた食物残さや近くの企業からの規定外食品などが國分農場に集まります。
それを地元の酒酵母菌を使って牛が食べる飼料に変えるのです。
さらに、餌にかかせない藁も地元のものを使うなど、安全なえさ作りをしています。
牛からの恵みは有機栽培の肥料に。
この肥料は野菜作りにいい、と一度使った農家さんの言葉です。
二本松の有機栽培農家がこの肥料で元気な野菜をつくり、その野菜を岳温泉の旅館が使う、
というまさに循環サイクルができています。

酵母牛は酵母発酵させた餌を食べていることからつけられた名前。
実は、子牛で来たときにはヨーグルトを飲んで育てています。
最初に口にする餌もとても大事なこと。
その後の肉質に大きく左右するそうです。
ですので、酵母牛の子牛たちは近くの牛乳屋さんからのヨーグルト。贅沢ですね。
國分農場には現在約800頭の牛がいるそうですが、どの牛もおとなしい。
理由を聞くと
「科学肥料を食べて育っている牛は無駄な鳴きが多いんです。
その点、うちでは化学肥料はほとんど使っていない。
だから大人しいんですよ」
確かに、食することで体は作られていますからね。
「あと、うちの牛は全部メスなんです。
余計に無駄なきしないんだと思いますよ。」
手を出せはたくさんの牛が興味津々と近寄ってきます。

「これからは食の安全が第一ですが、環境にも配慮しなくてはいけません。
人が食べても大丈夫なものを食べて育った牛です。
化学肥料で育った牛と違って、味は濃いし、牛くささがない。
生でも食べられるほどですよ」
実際に何度か食べたことがありますが、柔らかくてくさみはありません。
食の安全を気にする人には、まさに安心な牛肉としてお薦めです。

今回、会いたいと思っていた会津地鶏の生産者に会うことができました。
その地は三島町。
そう、会津地鶏が昭和63年に会津古来種と認められ、ここまで定着するために努力してきた会津地鶏の産地です。
今では会津を中心に生産者が増えていますが、ここ三島町と湯川村、下郷町などが最初の産地です。
その中でも、地鶏の販売に一番最初に一生懸命取り組んでいたのが「会津地鶏みしまや」です。
「会津地鶏は身のしまりだけでなく、噛んだときの旨みが濃い」と言われていますが
その定評を得るためには地道な努力をしてきた生産者がいるのです。
今回会津地鶏みしまやさんの仲介で初めて生産者の方に会えました!
右がその生産者さん。
左が会津地鶏みしまやの社長。
地鶏のハウスの中での撮影です。

ほんとに広いハウスの中にたくさんの若鶏たち。
勝手気ままに動き回っています。
「会津地鶏は120日育てます。ブロイラーより長いんですよ。
その分、環境に気をつかったり餌に気づかったり毎日手が抜けません。」
ると鶏の大きさが一羽ずつ違います。
「大きいほうがオスで小さいほうがメスね。
足の色も違うの。オスが緑っぽくて、メスが黄色いの。
同じく生まれても大きさがばらばらだし、餌の食べ方で育ちも違う。
あっちにいるのは別のハウスでいじめられていたからここに移したの。
同じ鶏でもやっぱり個性がでるからね。」
鶏にも鶏関係があるとは。
ハウスの外では野生の動物から地鶏を守る番犬「マリ」がしっかり仕事をしていました。

今回特別に会津地鶏みしまやさんの処理場を見せていただきました。
「処理場は清潔が一番」とぴかぴかです。
当たり前ですが、鶏専門の処理機ですので見たことない機会ばかり。
なかには「砂肝洗浄機」なんていうのもありました。
「鶏は砂を食べるので、砂肝は必ず出ますね。会津地鶏は放し飼いなので、砂を食べる機会が多く、特に大きいです。
でも、食べると美味しいんですよね」
う~ん かわいい地鶏を見たばかりですが、そういわれると食べたい。美味しそう。
処理の仕方も流れ作業で一気に進めるそうです。
「でも、処理より解体のほうが時間がかかりますね。すべて人の手による作業ですので限界がありますから。」
一羽一羽手作業。
手間はかかりますが、品質を保持するための努力です。
生産者がいて、それを安全に届ける人がいて、会津地鶏の美味しさは守られています。


2007年4月某日
素材広場の取材で、ヴィライナワシロの山際シェフの取材です。
山際シェフは、全日本福島県師厨士協会関東総合地方本部福島県本部会長でもあります。
地産地消をいち早く取り組み、福島県内では有名なシェフです。
「今はいちごがいいですよ。北会津のいい農家さんを見つけたんです」
取材はその農家さんへもお伺いさせていただきました。
会津若松市北会津町は、地元では果物おいしいところで有名。
イチゴだけでなく、りんごも産地です。
取材お伺いした日は「さちのか」が収穫をむかえていました。
真っ赤なイチゴが美味しそう!
農家さんの「好きなの食べていいよ」の声に、美味しそうなのを私たち取材スタッフは美味しそうなのを探す探す(笑)
真っ赤で大きいの発見!
食べると甘くて美味しい。
「同じ苗でも、最初に大きくなった実が一番大きくなるんだよ。栄養を持っていくんだね」と農家さん。
なるほど、確かにいろいろな大きさがあります。
ヴィラではスタッフ全員で試食した結果、ここのイチゴが美味しいということで
今年から使い始めたそうです。

ヴィライナワシロに移動して料理の取材です。

取材の時、まず初めにサトイモ、ジャガイモ、山芋の下処理を始めました。
「このサトイモはどこのですか?」
「これは中島村のサトイモ。じゃがいもは東和村ので、山芋は本宮町。
今の時期で一番いいものを生産者から送ってもらいました。」
そう、山際シェフは素材を加工する前の、素材そのままで仕入れます。
「業務用でなく、素材をそのまま仕入れるということは、下処理に大変時間がかかります。
でも、その手間をかけることで素材本来の美味しさが出せるのです。
地産地消するには、なにより生産者を知ること。」
言うのは簡単ですが、これを実行している山際シェフはすごい。
産地を知っているだけでなく、畑も生産者も知っているのです。
山際シェフの長年の努力が今 先駆者として福島を引っ張っています

会津のお味噌をカレー粉でアレンジしたソースだそうです。
一皿、一皿、丁寧に飾りをつけます。

「素材がいいから、そのままの味をあじわってほしいんです。
生産者が一生懸命に作ったものばかりですから、手を加えすぎないようにしています。」
という素材重視のメニュー作り。
さっき剥いたばかりのサトイモは素揚げにし、ホクホクの状態に。
じゃがいもは二度揚げして、仲間でしっとり。
山芋も食べやすいサイズに切って片栗粉をまぶして揚げました。
「山芋は水気が多いから片栗粉をまぶすんです」
ちょっとした一手間が素材の旨みを閉じ込めます。
全部、イモなのに種類が違うと食感が違う。
わかっていたのに、並べられるとホントに味の違いがわかります。
すごいなあ。ただただ関心。

「福島に来ていただいたからには、福島の味を楽しんでいただきたいのです」と山際シェフ。
「調味料も福島のものを使っています。例えば、この塩。いわきのですよ。」
地元の人でもいわき産の塩を知らない人がたくさんいますから。使っているのはすごいです。
「同じ食材でも少しアレンジするだけで、思いもよらない味になります。
メニューの中にサプライズは必要です。」
美味しさだけでなく、素材の印象も大切ですから。
素材に対してだけでなく、生産者が大切に育てた思いも大事にしながら調理をしている山際シェフ。
「なにより生産者と会うことが大事」が口癖です。
今までだけでなく、これからも福島の地産地消の先駆者として走りつづけるでしょう。

2007年4月某所
今回の「素材と料理人」は岳温泉・松渓苑の鈴木料理長です。
松渓苑は「庭園の宿」とつくほど、中庭を囲むように部屋がある温泉旅館。
今年で創業100年をむかえる老舗です。
料理長は心の優しさと繊細さが伝わってくるような穏やかな雰囲気を持った方です。

今回の素材は酵母牛。
岳温泉のすぐ近くにある國分農場で育てている牛です。
きれいなサシ!
まぐろの握りみたいです。
「酵母牛は地元の素材だから、メニューには必ず入れてます。
旨みもあるし、何より農家さんが真面目に育てているから。」
生産者のことを知っていることは、宿泊する立場としては嬉しいですよね。

焼く直前に味付けの塩コショウ。
「素材のうまさを活かすためにも、直前に塩コショウするだけで十分なんだよ」
なるほど。直前というのがポイントですね。

煙がでるほど熱くしたフライパンで一気に片面を焼きます。
表面をしっかり焼き、中まで火を通さずに旨みを閉じ込めます。

春の野菜と一緒に盛り付け。
真剣な顔で丁寧にお皿を彩っていきます。
やっぱり料理人は調理しているときが一番かっこいいなあ。

完成!
酵母牛と春野菜。
繊細な彩りと盛り付けに、人柄が表れています。
コゴミやわらび、ウルイ、筍などが酵母牛に春の味を添えます。
彩りもきれい。さすがです。

撮影したあとに
「食べていいよ」と言われてライターさんと嬉しい試食タイム。
酵母牛の柔らかさと、甘みを感じる旨みが美味しい。
山菜の野趣的な味わいが添えられていることで、余計にお肉の甘みが引き立ちます。
やっぱり山菜は山の力をいただける最高のご馳走だと思います。
食があふれる時代だからこそ、地面に近いもの、そのものの味に価値があると思います。
第一回の素材は酵母牛。
2回目の取り上げ素材なんにしよう。
食べる楽しみもあわせて考えます(笑)

2007年4月某日
素材広場の記念すべき創刊号での取材一本目をしました。
場所は新橋。
お相手は(株)リクルート じゃらんリサーチセンターが発行する「と~りまかし」のセンター長、沢登さん。
沢登さんは4月にセンター長になったばかりでセンター長としての仕事はこれが初仕事だそうで、受けていただき光栄でした。
今回のライターさんが沢登さんの知合いということもあり、和やかな雰囲気で取材スタート。
まずは・・と思ったらお料理が登場。



そうそう、今回の取材場所の起き上がり小法師は会津にゆかりのあるお店で、以前取材したこともあるご縁で場所をお借りしました。
お料理も特別に会津の素材を中心に、お酒は会津の地酒「末廣酒造」。
料理が目の前に来ると撮影したい!
ライターさんと一緒になって撮影タイム。
「会津といえばやっぱりこづゆなんですよ~」
「個人的にはこっちのニシンの山椒漬けがお薦めです」
など、会津の郷土料理を前に盛り上がってしまいました。
そのあいだ沢登さんはただにこやかに待ってくださり・・。すみません、一時間の予定でしたね。

本題の「観光」について。
私が旅行雑誌の仕事にかかわった13年前から比べての今の状況と、これからの予想。
お客様が求めていることが変わってきていて、個々人に合わせられる対応が必要になってきていることや、首都圏と地方のサービスレベルの違い。
首都圏の人たちの生活スタイルの変化。旅行は「近くで手軽に、か、自分だけの特別な場所」かに二極化されつつあること。
やっぱりそうですよね~。と納得しながら、新しい発見があったりとてもいいお話でした。
さらに、いろいろと福島のことも調べてきてくださり、
以前から問題視していた「福島への距離感」も指摘されましたね。
「近いのか、遠いのかわからない」
やっぱり・・。
これは10年以上前からずっと言われてきたことです。
あまりにも福島のイメージがわかないことも指摘されました。
首都圏には情報があふれていますから、強い印象をあたえないと埋もれてしまうのですよね。はい。
この取材内容は5月創刊の夏秋号に掲載いたします。
宿の取材や生産者の取材を通して、感じた「すごいなあ~~」と思ったことを書いていきます。
福島で生まれ育った素材たちが宿でどう活かされて、お客様が喜んでくれたか。
作り手が 一生懸命に、大事に育ててきた野菜や魚、生地やお酒が
お客様の口に入る瞬間、一番の価値を感じてほしい。
料理人の思いもあります。
イマイチなにがあるのかわからないといわれる福島の魅了が伝われば嬉しいですね!
